十字路から届いた招待状

十字路から届いた招待状

ぼくにも多感期と思われるティーンエイジの時代があった。 そして、そのころに読んだ本や聴いた音楽は、いまだぼくの心のいちばん深いところにある。 今回は、そんな音楽の話だ。

 落ち着かない日々を過ごしていたティーンエイジャーのころ。  ある夜ぼくは、「そんなところでため息をついてないで、こっちへ来いよ。お前の望むものは、すべてここにあるぞ」と、呼びかけられたのだ。  それは、ピンストライプの […]

続きを読む »

だれもが幸せになる川~那珂川カヌー旅(後編)

だれもが幸せになる川~那珂川カヌー旅(後編)

震災以降、東北や北関東の川はブルースを抱えたままだ。 でも、風景ののどかさが、そんな憂鬱も吹き飛ばしてくれる。 那珂川は、今日も眠ることなく流れ続けている。

川の上に出ると、「この先どこへ行くかはわからないけど、たったいまドアを開けたところ」という感覚に全身がつつまれる。 これだ。この感触だ。 流れの中心へと漕ぎだす。パドルを持つ手に、力がみなぎってくるのが感じられる。 いつ […]

続きを読む »

いつも心のなかを流れている川~那珂川カヌー旅(前編)

いつも心のなかを流れている川~那珂川カヌー旅(前編)

何度訪れても飽きない川がある。 栃木県から茨城県をめぐり太平洋へ流れる那珂川だ。 一年ぶりの那珂川である。 しかも、わがカヌーの前席には、いとしのバウレディーが。

物忘れの激しい昨今だが、久しぶりにふるさとの川をカヌーで下ってみると、まるで昨日のことのように、さまざまな思い出がよみがえってきた。 初めての川下りカヌーの日のこと。河原一面に菜の花が咲いていた春のこと。川漁師からもらっ […]

続きを読む »

ぼくは、帽子とマフラーが好き

ぼくは、帽子とマフラーが好き

夏の凶悪な日光を考えると、帽子の必要性はいうまでもない。 冬の寒さにも、帽子はやさしい。 そして、マフラーもまた旅人に心地よさを与えてくれる道具なのだ。

 山歩きの必需品として、地味だけど必ずや欲しいのは、帽子とマフラーだ。  帽子は、夏の直射日光をさえぎり、寒いときには温かさも与えてくれる。怪我防止にも役立つ。そして、雨のときには雨具のフードの下にかぶることで、視界を広 […]

続きを読む »

今日もウォーキング・スタッフに寄りかかって!

今日もウォーキング・スタッフに寄りかかって!

ぼくにとって歩くときの相棒は、まさに「棒」なのだ。 ウォーキング・スタッフ(杖)である。 自作のものから市販のものまで、いろんな杖と旅へ出たのだった。

“ほとんどのウォーカーはウォーキング・スタッフ(杖)の使用など考えてもいないようだが、わたしは背負うべき「家」の土台に杖を加えるのを、いささかもためらわない。バックパックを背負うときは、自動的にウォーキング・スタッフを手 […]

続きを読む »

オン・ザ・ロードへ、ふたたび

オン・ザ・ロードへ、ふたたび

『遊歩』という素敵な遊びを教えてくれた本があった。 もう40年も前に書かれた本だが、その文章は、いまもバックパッカーたちの心のいちばん深いところをくすぐりつづけるのだ。

アメリカの詩人アレン・ギンズバーグが、「ソローヘ帰ろう」といったのは、1960年代のなかば、ベトナム戦争まっただなかだったと思う。ギンズバーグがいうところのソローとは、19世紀後半に『森の生活』を書いたヘンリー・デビッド […]

続きを読む »

ネジのゆるんだスタイルで歩く。白山山行装備(後編)

ネジのゆるんだスタイルで歩く。白山山行装備(後編)

さてさて。 一泊二日白山山行全装備のつづきである。 山の常識や良識をちょっとばかり踏みはずした装備を、紹介してしまおう。

 季節は夏。暑い盛りだ。  とはいえ、白山の標高は2,702m。  今回は、まずはウェアのことからはじめよう。 「山でアロハはないだろっ!」という声も聞こえてきそうだけど、ぼくの山歩きのスタイルはアロハシャツなのだ。あし […]

続きを読む »

白山山行。夏の山小屋泊一泊二日全装備(前編)

白山山行。夏の山小屋泊一泊二日全装備(前編)

梅雨明けと同時に、白山へ行ってきた。 一泊二日の山小屋泊で、夏の山を遊びつくそう、というわけだ。 ここでは、そのときの装備を前編・後編の2回に分けて紹介しよう。

 突然、「山行こ! 山行こ! いっしょに山行こ!」  てなメールが、広島の古い友人からさまよいこんできた。 「○月○日の夕方。白峰温泉、御前山荘で待ってます」  だとさ。  急なことではあるが、美人の誘いを断るわけにはい […]

続きを読む »

ウッド・テーブルの温もり

ウッド・テーブルの温もり

自然素材の道具が好きだ。 化学素材が全盛の時代が来て何年もたつが、まだまだ、自然素材の道具もがんばっているのだ。 そしてそれらは、けっして過去の遺産ではない。 いまの時代にこそ重要な道具だと思うんだけどな。

 自然素材の道具。これらはけっして過去の道具ではない。  たとえば、フライフィッシング用のバンブーロッド。  簡単にいってしまえば、竹竿だ。が、この簡素で優雅な竹竿を手に渓流へ立つと、風景が違って見えてくる。というか、カ […]

続きを読む »

アロマな虫除けオイルを作ってみた

アロマな虫除けオイルを作ってみた

夏がやってきた。これからの2か月は、まっ黒に日焼けして遊びほうける季節だ。 と同時に、露出した肌に虫が集まる季節でもある。 そこで、虫は逃げだし、女の子が寄ってくる(はずの)、天然成分だけのアロマな虫除けオイルを作ってみた。

 匂いは、人を覚醒する。  沈丁花の香りが南の風にまじると春の訪れに心が浮きたつし、金木犀の匂いが漂いはじめると秋の愁いを感じるし。香りによって、いろんな記憶がよみがえる。匂いとは、ほんと不思議なもんだ。  匂いで思い出 […]

続きを読む »