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地球上でいちばん好きなものはなにか、と考えたら、ぼくの場合はサンダルかもしれない。 サンダルの快適さ、気軽さ、自由さ、便利さなどなどを思い浮かべると、「これに並ぶものはない」と自信をもっていいきれる。それに、世界をち […]
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テントの中で雨のしとしと音を聴いていると、まるで素敵なソファの上にいるような気分になってくる。何時間でも、ごろごろとまどろんでいられるのだ。 静かな雨に音には、トランキライザーが含まれているのかもしれない。 だから […]
もうずいぶん前のこと、コッヘル(鍋)を忘れた2泊3日旅があった。 大慌てで、旅先の食料品屋でふたつの缶詰を買った。たしか、チリビーンズとフルーツの缶詰だったと思う。 もちろん、それらは初日の食料となったが、その空き […]
アウトドアズマンの必需品といったら、昔は大きなナイフだった。 ナイフこそが、冒険旅の象徴だったのだ。 でも、それは昔の話だ。 いまの時代、ナイフは男らしさの象徴ではない。でっかいボウイナイフを腰につけて歩くなんて […]
日本という国は山河が豊富な上に、南北に長い列島でほんとうによかった。 と、春になるといつもぼくは思うのだ。 この季節は忙しい。仕事なんてやっている場合じゃない。 春の風に包まれた川へ出向けば、新緑のなか、カヌーによる川下 […]
キャンプには、大きくふたつのスタイルがある。 ひとつは、「もっともっと先へ進みたいから、キャンプ泊を繰りかえしながら荒野を旅する。ここより先へ進むためにテント泊をする」というスタイルだ。 もうひとつは、「自然を楽し […]
コーヒーを淹れるのは、ある種、伝統的な儀式のようなものだ。 袋に入っている豆を覗きこむ。豆の色が脳の味覚を刺激する。かすかな匂いが漂ってくる。 適量をとりだし、こりこりと挽く。ふたたび、匂いが鼻をくすぐる。豆を眺め […]
それにしても、どうして冒険家と呼ばれる人たちは、あんなに心臓がばくばくするようなことに夢中になるのだろう。命の危険をかえりみず、きびしい岩肌にへばりついたり、困難が待ち受ける高い山を登ったり。 『アドレナリン中毒』といっ […]
ホイール(車輪)のついたごろごろと引っぱっていく大きなバッグは、便利だ。ある時期、ぼくもよく使っていた。 が、なぜか好きになれなかった。あるときから、使うのをやめてしまったのだ。 あれが似合うのは、キャビンアテンダントだ […]
ある日あるとき、古い友人である伊東孝志画伯と旅へ出た。 伊東画伯さんは、南の島より流れ着いたココナツのような体型と風貌で、水彩の落書きを糧として日々をさまよっている人だ。ひとりでふらりと旅へ出るのが好きで、シンプルな […]