匂いは、人を覚醒する。
沈丁花の香りが南の風にまじると春の訪れに心が浮きたつし、金木犀の匂いが漂いはじめると秋の愁いを感じるし。香りによって、いろんな記憶がよみがえる。匂いとは、ほんと不思議なもんだ。
匂いで思い出した話が、もうひとつ。
「何を着て寝ますか?」と聞かれて、「Just a few drops of Chanel No.5」と答えたというマリリン・モンロー。この言葉に、シャネルの5番の匂いも知らないぼくの夢と妄想は広がるのだった。
かように、香りは人を惑わすものだ(マリリン・モンローの話は、「匂い」とは関係ないかもね)。
匂いは、人ばかりか虫も覚醒する。
虫が大好きな匂いもあれば、虫が逃げていく香りもある。
そうした虫の嫌いな匂いがあることで、虫除け剤が生まれてきた。
が、虫除け剤の匂いを虫が嫌うように、その匂いに嫌悪感をもつ人も多い。ケミカル(化学物質)な匂いや成分が、肌に合わない人が多いのだ。
そこで生まれてきたのが、虫が嫌う天然成分だけを使ったアロマなオイルだ。
で、ふと思ったのが、アロマオイルの配合で自分好みの虫除けオイルを作ることができるんじゃないか、ということだ。そこでさっそく、AEAJ(日本アロマ環境協会)認定のアロマテラピー・インストラクターである山畑理絵ちゃんに聞いてみた。
「シトロネロールやシトラールといった成分を虫が嫌うので、ゼラニウム、レモングラス、ユーカリなどのオイルを配合すればいい」という。
彼女の好みは、上記の三つに薄荷油を加えたもの。これらを無水エタノールで溶かし精製水で薄める。
「自作のものは防腐剤を使わいないので、1週間から10日間で使いきってください。それを過ぎて残ったものは肌にはつけず、部屋や車の中、クッションなどにスプレー。エアフレッシュナーとして使えばいいし」とのこと。
「女の子をアウトドアへ誘うなら、男子として必携のスプレー。さりげなくこのアロマオイルを差しだしたら、もてるよ」だとさ。
というわけで、さっそくぼくも作ってみたのだった。
どうやらいい匂いには、気持ちを明るくしたり、リラックスさせる効能が含まれているらしい。
香りが、脳内の扁桃体と海馬を刺激するのだ、という。脳内では、扁桃体は感情を、海馬は記憶を担当している。
なので、いい匂いを嗅ぐと気分(感情)がよくなり、その記憶が残るのだ。
これはもう、持ち歩くしかあるまい!
最後に、大事なことを。
この記事を見て自作してみたけど、肌に合わなかったとか、虫に好かれたとか、女の子に嫌われたなどの症状が出ても、それは自己責任で!