山歩きの必需品として、地味だけど必ずや欲しいのは、帽子とマフラーだ。
帽子は、夏の直射日光をさえぎり、寒いときには温かさも与えてくれる。怪我防止にも役立つ。そして、雨のときには雨具のフードの下にかぶることで、視界を広く保ってくれる。
マフラーは、冬の寒さの中でのありがたさはいうまでもない。それに以上に、夏の暑さの中、手ぬぐい(タオル)と考えると、利用範囲はほんとうに広い。汗ふきタオルにもなるし、頭をおおうことで帽子の役目もはたしてくれるのだ。捻挫をしたとき、固定用包帯として活躍したこともある。

ウールやらコットンやらフェルトやら麻やら麦わらなどなど。素材はさまざまなわが部屋の帽子群(ほかにも、無雑作に積み重ねている帽子もあるし)。さらに、冬用としてウールのニット帽が数種ある。いつのまにやら、帽子だらけになってしまった。
というわけで、山歩きだけでなく、カヌーでの川下りやシーカヤックでの島旅、町から町への自転車旅や森の散策などにも、必需品となるのだ。
もちろん、町中でも。
帽子は好きじゃない、という人もいる。
しかし、四季をとおして帽子は持ち歩くほうがいい。当たり前のことながら。
必要がないと判断したときには、かぶらなければいいだけのことだ。
でも、野外で遊ぶなら、「好きじゃない」と決めつけないほうがいい。
自分に似合う帽子を、なんとしてでも探しだすのがいいと思うよ。

暑がりで蒸れがきらいなぼくは、夏はもっぱら麦わら帽子を愛用している。あまりに暑い日は、濡らしたバンダナを帽子の中に入れる。
麦わらの大きな難点は、耐久性がないこと。乱暴にあつかうと傷みが激しい。消耗品と考えてあきらめるしかない。

山歩きでは、暑いときでもマフラーを巻いていく。いうまでもなく、手ぬぐいがわりである。日本手ぬぐいを首に巻いたり頭に巻いたりしたこともあったけど、いまはこの手のマフラー(タオル?)を巻いて歩くことが多い。
帽子とマフラーは、基本的には実用品だけど、実用性や機能性よりは好み重視で選ぶほうがおもしろいし、圧倒的に楽しい。
山でも、好きな格好で過ごせばいいのだ。
ただし、町中での使用とちょっとばかり違うのは、帽子にしろマフラーにしろ、「軽さ」と「じょうぶさ」が条件となる。
バックパックやズボンのポケットへ乱暴に押しこんだり、アブをたたき落としたり、川でごしごし洗ったり、ということも多々ある。
ひどい扱いに耐えられる帽子とマフラーが、山ではうれしいのだ。

夏でも高地では、朝夕は冷える。そこで、キャンプサイトでは「今治まきたおる」を首に。そして、昼間は汗ふきとして、下山後の温泉ではタオルとして。万能の一枚。何色かを所持し、気分に合わせて持ち歩いている(巻き歩いている、というべきか)。