カテゴリー:外遊び道具考

火と暮らす

火と暮らす

ぼくは、「頭の切れる人間だ」といわれるより、「焚き火がうまい男だ」といわれるほうがうれしい。 みんなもそうだろ? だから今夜も、焚き火を前にせっせと薪を放り込むのである。

焚き火をするために出かける、という週末があってもいい。 そもそもぼくは、「ほんとうに大事な話は、火の前でする」と決めている。だから、重要な打ち合わせは、焚き火を前におこなうのである。 すぐに眠くなる会議も、焚き火の前でや […]

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冬の夜遊び~ウラヤマを舞うムササビを探しに

冬の夜遊び~ウラヤマを舞うムササビを探しに

天気のいい夜には、温かい飲み物を持って暖かいウェアに身を包んで、ウラヤマへ出かけていこう。 そして、上を向いて歩くのだ。 木々の葉が落ちてしまう冬の森は見通しがいいから、夜を遊ぶムササビに逢うことができるぞ!

ぼくは、ムササビに生まれるべきだった。 いや。年頭なのだから今年の抱負として、「これからは、ムササビのように生きる!」と宣言するほうがいいかもしれない。 とはいえ、ぼくがムササビのように生きたいと思ったのは、もう三十年近 […]

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明るすぎる国の未来は暗い

明るすぎる国の未来は暗い

明るすぎると見えないものがある。 旅の夜なら、なおさらだ。 地球の原風景を前に、「夜の色」が楽しめる“灯り”が欲しいのだ

 焚き火も同じだけど、ろうそくやオイルランプの小さな炎は、ほんと心が落ちつく。  明るくないところがいい。まぶしくないところがいいのだ。  それになにより、そよ風に動揺するがごとく、弱々しく揺れるのがいい。  まるで、こ […]

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テレマークな暮らし

テレマークな暮らし

バックカントリーへ浸透していくということは、人の道を踏みはずして歩くわけだから、そこにはなにが待ち受けていてもおかしくない。 それは、自分の背丈を知る旅でもある。 文化的ぜいたくにあふれたこの旅の行き先は、世の中とは反対の方向へつづいているのだろう。

またまた12月がやってきた。 できることなら、この冬は(この冬も!)炬燵にもぐりこんで「コタツムリ」と化してミカンでも食べていたいところである。 が、炬燵に入り背中を丸めミカンを食べながらも、ぼくの目はパソコンに映しだし […]

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ブランケットとお月さん

ブランケットとお月さん

寒い冬こそ外遊びだ、と強がってはみたものの、寒さを強がりだけではカバーできない。 夜ともなれば、その寒さは鋭いナイフのように冷たく研ぎすまされてくる。 しかし、空には明るい月が昇ってきた。 そんな夜を見のがすわけにはいかないじゃないか!

 この季節、日暮れは早い。  日が落ちると、山には静けさとともに、寒さが大波のように押し寄せてくる。そんな夜には、熱々の料理を食べ、さっさとテントへもぐり込み、暖かいダウンの寝袋にくるまれていたいもんだ。  月明かりに照 […]

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十字路から届いた招待状

十字路から届いた招待状

ぼくにも多感期と思われるティーンエイジの時代があった。 そして、そのころに読んだ本や聴いた音楽は、いまだぼくの心のいちばん深いところにある。 今回は、そんな音楽の話だ。

 落ち着かない日々を過ごしていたティーンエイジャーのころ。  ある夜ぼくは、「そんなところでため息をついてないで、こっちへ来いよ。お前の望むものは、すべてここにあるぞ」と、呼びかけられたのだ。  それは、ピンストライプの […]

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だれもが幸せになる川~那珂川カヌー旅(後編)

だれもが幸せになる川~那珂川カヌー旅(後編)

震災以降、東北や北関東の川はブルースを抱えたままだ。 でも、風景ののどかさが、そんな憂鬱も吹き飛ばしてくれる。 那珂川は、今日も眠ることなく流れ続けている。

川の上に出ると、「この先どこへ行くかはわからないけど、たったいまドアを開けたところ」という感覚に全身がつつまれる。 これだ。この感触だ。 流れの中心へと漕ぎだす。パドルを持つ手に、力がみなぎってくるのが感じられる。 いつ […]

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いつも心のなかを流れている川~那珂川カヌー旅(前編)

いつも心のなかを流れている川~那珂川カヌー旅(前編)

何度訪れても飽きない川がある。 栃木県から茨城県をめぐり太平洋へ流れる那珂川だ。 一年ぶりの那珂川である。 しかも、わがカヌーの前席には、いとしのバウレディーが。

物忘れの激しい昨今だが、久しぶりにふるさとの川をカヌーで下ってみると、まるで昨日のことのように、さまざまな思い出がよみがえってきた。 初めての川下りカヌーの日のこと。河原一面に菜の花が咲いていた春のこと。川漁師からもらっ […]

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ぼくは、帽子とマフラーが好き

ぼくは、帽子とマフラーが好き

夏の凶悪な日光を考えると、帽子の必要性はいうまでもない。 冬の寒さにも、帽子はやさしい。 そして、マフラーもまた旅人に心地よさを与えてくれる道具なのだ。

 山歩きの必需品として、地味だけど必ずや欲しいのは、帽子とマフラーだ。  帽子は、夏の直射日光をさえぎり、寒いときには温かさも与えてくれる。怪我防止にも役立つ。そして、雨のときには雨具のフードの下にかぶることで、視界を広 […]

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今日もウォーキング・スタッフに寄りかかって!

今日もウォーキング・スタッフに寄りかかって!

ぼくにとって歩くときの相棒は、まさに「棒」なのだ。 ウォーキング・スタッフ(杖)である。 自作のものから市販のものまで、いろんな杖と旅へ出たのだった。

“ほとんどのウォーカーはウォーキング・スタッフ(杖)の使用など考えてもいないようだが、わたしは背負うべき「家」の土台に杖を加えるのを、いささかもためらわない。バックパックを背負うときは、自動的にウォーキング・スタッフを手 […]

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