カヤックやカヌー、スタンドアップパドル(SUP) に乗るとき、僕にとってパドルがいかに重要かという話は、だいぶ前に書いたとおりだ。
*「Paddle Your Own Canoe」と題した、2015年9月16日のこのBlogで。
二年前、SUP遊びを知った僕は、SUPパドルを作ることに決めた。
*「SUP事始め、てんやわんや」は、こちら(2015.7.22)
SUPは「遊び」のために新しく生まれた道具なので、いまのところ「トラディショナル文化」はない。「生活」のために生まれたカヌーやカヤックとは、違うところだ。
先々週のBlogに書いたとおり、僕はトラディショナルなパドリングに興味があるので、SUPもインディアンストロークで漕ぎたい。
*インディアンストロークの話は、こちら。
「パドリングの妙技『インディアンストローク』」
とすれば、パドルを作るしかない。
SUPパドルは、そのほとんどがベントシャフトのパドルだ。効率を考えるとこのベントシャフトは理にかなっている。もちろん、状況によっては僕もベントシャフトのパドルのお世話になっている。
でも、条件が許す限り、ビーバーテイルの一本木(一本気)で裏表のないパドルを使いたいのだ。
パドルは「道具」にすぎないけど、「道具」と呼ぶには手足に近すぎる。わが分身でもあるのだ。
そうそう。それで思い出したけど、「オール」と「パドル」の違いをひと言。
オールは、ボートに付属する道具である。
が、パドルは、艇からはなれて存在する。手足と同じように。だから、ポテンシャル、漕ぎやすさ、長さや重さ、デザインまで自分にあわせたいのだ。
パドル作りに選んだ材は、ホワイトアッシュ。日本でいえば、トネリコとかタモ。粘りがある強い木だ。
長さ2100ミリ×幅160ミリ×厚さ25ミリの一枚板を製材所から買ってきた。値段は、8000円ぐらいだった。
この一枚板に、わがイメージしたデザインを描き、切り、削っていく。気の遠くなるような作業だ。が、漕ぎをイメージし、SUPが進んでいく姿を想像しながら木を削っていく。
これはこれで、楽しい作業だ。
できあがったら、さっそく試して、また削り直し。それを、数回繰り返す。
こうして、唯一無二のSUP用ビーバーテイルのパドルができあがった。
いまでは、湖でも川でも、わが手足だ!
8月のはじめには、四万十川をこのパドルで下ってくる。