パドリングの妙技『インディアンストローク』

パドリングの妙技『インディアンストローク』

カヌーもSUPも『インディアンストローク』! オープンデッキカヌーのトラディショナルなパドリングを紹介!

 オープンデッキカヌーは、ダブルパドルで漕ぐカヤックと違い、シングルパドルで漕ぐ。 (オープンデッキカヌーは、日本ではカナディアンカヌーと呼ばれているが、アメリカやカナダでは、単にカヌーとかオープンデッキカヌーと呼んでい […]

 オープンデッキカヌーは、ダブルパドルで漕ぐカヤックと違い、シングルパドルで漕ぐ。
(オープンデッキカヌーは、日本ではカナディアンカヌーと呼ばれているが、アメリカやカナダでは、単にカヌーとかオープンデッキカヌーと呼んでいる)
 いずれにせよ、カヌーは、シングルパドルで片側だけを漕ぐわけだけど、それでも艇をまっすぐに進めることができる。そのパドリング方法はいくつかある。Jストローク、Cストローク、ラダーストロークなどなどである。

 僕がいつも使うパドリングは、インディアンストロークと呼ばれるものだ。
 まだカナダとかアメリカなどといった国がなかったころの話。北アメリカ大陸北東部あたりのファーストネーションズ(ネイティブ)が、生活の道具としてカヌーを使っていた時代に生まれた漕ぎ方だ。
 パドルを水面から出さないストロークである。
 漕ぎ終わったあとパドルブレードを外側にひねり、縦(カヌーの進行方向と平行)にしてそのまま前方へともっていく。そしてそのブレードを今度は内側へ返し、さっき漕いだ面とは逆の面でまた漕ぐ。パドルブレードの表、裏、表、裏とかわり交代に漕いでいくのだ。

アリーのフォールディングカヌーをインディアンストロークで漕ぎ進める。琵琶湖にて。

アリーのフォールディングカヌーをインディアンストロークで漕ぎ進める。琵琶湖にて。

 ブレードを水面から出さずに漕ぐことでのメリットは、いくつもある。
・パドルを前に出すときにも舵操作ができる。
・風に強い。
・静かである。サイレントストロークとも呼ばれる。
ネイティブたちはこのパドリングでビーバーなどにそっと近づき、猟をしていたのだ(猟をしない僕としては、岸辺で水浴びをしている女の子にこっそり忍び寄るのに使えるかな)。
・パドルの重さが気にならない。
 デメリットは、競技には向いていない、ということぐらいじゃないかな。パワーやスピードを求めたり、急回転などはあまり得意じゃない。

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わがインディアンストロークを、GIFアニメでどうぞ。

わがインディアンストロークを、GIFアニメでどうぞ。

 インディアンストロークのためには、パドルの形状も重要だ。
 ビーバーテイルで、ブレードが薄いものがいい(前へ出すときの抵抗が少ないように)。
 表、裏とかわり交代に使うので、裏表のないタイプじゃないとだめだ。
 ベントシャフトでは、このストロークができない。
 というわけで、僕がもっているパドルはビーバーテイルかその変形。

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SUPでは、こんな感じ。

SUPでは、こんな感じ。こちらも、GIFアニメで。

 最近では、SUPでもインディアンストロークを実践している。
 SUP用のビーバーテイル・パドルはどこにもないようなので、自分で作ったのだ。
 その自作パドルの話は、また今度!

■ついでに動画も!

 

 

どっちも自分で作ったパドルなのだ。

どっちも自分で作ったパドルなのだ。

写真撮影=山田真人
GIFアニメ製作&動画=野上真一
(ありがとう)