容量600ccの、小さなケリーケトルを手に入れた。
それからというもの、これでお湯を沸かし、コーヒーを淹れている。
おかげで、15分だけ早起きになった。
「ケリーケトルってなんぞや?」という人は、一年ほど前、ここに書いたこの記事を読んでくださいな。
*火遊び好きが作った『ヤカン』(2016.12.15)
前日に散歩がてら近くの林で集めた枯れ枝を、「ぽきぽき」折る。
いっしょに拾ってきた松ぼっくりも、ケリーケトルのファイヤーベース(小さな焚き火台のようなもの)に放り込んで火をつける。
お湯が沸くまでは、コーヒー豆を「こりこり」と挽く時間だ。
ほんの3分もあればひとり分のお湯が沸くので、のんびり「こりこり」やってるわけにはいかない。
ここからのドリップするルーティンは、以前といっしょ。
いままではガスでお湯を沸かしてコーヒーを淹れていたが、焚き火で沸かすお湯は、遠赤外線か、ポリフェノールか、ボラギノールか、なんかわらない「やつ」がじわじわとにじみ出て、とにかくおいしいのである。
いまだに、古い薪窯を使ってうどんを茹でている「山内うどん」のおばちゃんも、言っていた。
「うちは、薪でうどんを茹でるからおいしいんや」と。
「山内うどん」は、香川県仲多度郡まんのう町にある、ぼくが大好きなうどん屋さんだ。
そもそも、軍隊のように炎が整列しているガス器具や、炎も見えないIHで沸かすお湯には、夢がないじゃないか。
ほんとうの味は違わないのかもしれないけど、ぼくは、薪で沸かしたお湯がうまい、とぜったい的に信じている(「山内うどん」のおばちゃんも、言っているように)。
20年以上使っているケリーケトル『おじいちゃん』と、ちびケトル『孫』(と、勝手に命名)のふたつは、ますますわが「火遊び」を助長する。
もちろん、おじいちゃんも現役だ。
冬の低山を、このケリーケトル『孫』とともに歩いてみようかな。
となると、ウェアやバックパック、靴などの装備は、コットンやウール、革の自然素材だけにしよう。
アンプラグドな山旅が、できそうだな。