もう、何年も前の沖縄シーカヤック旅での話。
無人島に停泊を決めた夜のことだ。
その夜は、新月で真っ暗だった。そして、風もなかった。
ぼくと伊東画伯(伊東孝志)は、貝殻にオリーブオイルを入れ、ランプを作ったのだった。
日本手ぬぐいの端っこを、ナイフで細く切り芯を作る。
その芯を、サンゴのかけらで貝殻の中に立て、オリーブオイルを注いでランプにしたのだ。
寒くなった東京の年の瀬に、ふと、その夜のことを思い出した。
そこで……。
ステンレスの針金(太さ=1.2mm)とコットンの紐で、こんなものを作ってみたのだ。
針金を円錐形に曲げていく。そして、そのとがった先にコットンの紐をつける。
これだけだ。
これがあれば、ガラスコップであろうが、湯飲みだろうが、お茶碗だろうが、器のすべてがオイルランプになる。
ついでに、コップのふちに引っかけるタイプも作ってみた。
燃料は、サラダ油でもオリーブオイルでも、ごま油でも、もちろんランプ用のアルコールでもいい。
動物油でも火はつくだろうけど、煙も出るだろうな。
エンジンオイルなんかも燃えそうだけど、ぼくは試したことはない。
なによりもいいのは、揚げ物やてんぷらの残りの油でもだいじょうぶ、というところだ。
停電のとき、ろうそくを切らしていても、このランプがあれば、ろうそく並み(いや、それ以上に明るいかも)の灯りを確保できる。
今年のクリスマスプレゼントは、これで決まりだな。
いまのところ、5個が、完成。
欲しい人?
先着、5名です。
来年の年の瀬は、「魔法のランプ」でも作ってみようかな。