今日の朝ご飯は、ホットサンドメーカーで作ったどかんとトマトが入ったオムレツと、オーブントースターで軽く焼いたフランスパンだった。
オムレツといったって、ホットサンドメーカーでありあわせの野菜や肉を炒め、そこに玉子を落とし牛乳を流し込みよくかき混ぜ、あとはじっくり片面を焼くだけ、という手抜き調理だ。
そのものぐさな作り方から、「のらくらオムレツ」とぼくが勝手に呼んでいる料理である。
このように、ぼくはホットサンドメーカーを、ありとあらゆる調理に使っている。
ホットサンドメーカーでホットサンドを作るのはもちろんのこと、この調理器具を小さなふたつきフライパンとして使っている日々だ。
いまさらいうまでもなく、ぼくはホットサンドが大好きだ。
もともと、歩きながらでも、しかも片手さえあいていれば食べられる、というサンドウィッチの自由さに惹かれていた。
その上、「はさんで焼いたらなんでもうまい!」と気がついてからというもの、冷蔵庫の中を覗いては、今日はどれをはさんで焼くか、ともくろむ日々だったのだ。
ホットサンドは自由な食べものである。
そのことに気がついてからは、家でも野外でもホットサンドを作りつづけたのだ。
ある日あるとき、ホットサンドが自由の食べ物なら、ホットサンドメーカーもまた自由なるクッカーであるべきだ、と思いたった。
そんなわけで、オリジナル・ホットサンドメーカーを作れないか、と考えた。
「自由なクッカー」ということをより際だたせるために!
こうして生まれたのが、この『テンマク+タルサタイム/マルチ・ホットサンドメーカー』だ。
まずは、上下を取り外し式とした。
これで、小さなフライパンとして使いやすくなる。
また、フライパンとしての深さを出すために、上下の深さをかえた。
下の部分を深くしたのだ(上下を足すとふつうのホットサンドメーカーと同じ厚さになる)。
さらには、ノーマルな深さのものと、下部だけもっと深いタイプのものも作った。
これで、クッカーとしての幅が広がるばかりか、厚切りのパンにごっついトンカツをはさんだ豪傑ホットサンドを焼くこともできる。
上部一種、下部二種の三つで一セットのホットサンドメーカーである。
そして、焼きあがったときの「ほっ!」と感を出すための癒しの焼き印。
この『タルサタイム/マルチ・ホットサンドメーカー』は、ぼくにとって「サンドのめし」を作るためのクッカーなのだ。
(おかげさまで、多くの人に使ってもらってます。どうもありがとう)
オリジナル・ホットサンドメーカーの好評さで調子に乗ったわけじゃないけど、『ホットサンド~54のレシピと物語』という本も出版してしまった(実業之日本社)。
料理はまったく苦手なぼくが書いた料理本である。
そんなぼくだが、いまさらながらにわかったことがある。
おいしいホットサンドを作るコツは、たったひとつ、ということだ。
「自分のためではなく、人のために作る!」
これ勝る料理作りのコツはない。
そういえば、最近は自分のためばっかり作っているわたくしである。
だれか、ぼくが作ったホットサンドを「食べたい!」という人、いないかな?