グルメ(美食家)ではないけど、やっぱり、おいしいものを食べたい。
グルマン(大食漢)でもないけど、できれば、いっぱい食べたい。
が、自分でおいしいものを作る自信はない。
ぼくとしては、おいしいものを作りより、作ってもらって食べるのに専念したいのだ。
そういえば、料理はできないけど、石窯を造ったことがある。もう10年以上前。長野県の飯山に住む知り合いの庭に。見よう見まねで造ったのだ。
そして、ふたたび……。
ある夜、南足柄にある『ez BBQ country』キャンプ場で、「ここに石窯を造ろう!」と、盛り上がったのだ。
キャンプ場の管理人・大ちゃんと、棟梁・大津さん、そしてぼくの三人。
三人は頭を寄せ合って、「どうせなら、二層式の本格的なやつを」と、悪巧み。
さっそく本を見たり、インターネットで検索したり。いろんな石窯を眺めながら、イメージを膨らませた。
耐火モルタル、耐火レンガ、土台用のブロックとか、いろいろもろもろを買い集めたのだ。
そして、造りはじめたのは、高さ180cm、幅60cm、奥行き70cmのでかい石窯だ。
ピザを焼くなんてのは当たり前で、どうせ造るなら、丸々鶏でローストチキンを作れるような石窯が欲しい。各種パンも、でかいローストビーフも作りたいし、エビグラタンも食べたいし、アップルパイもいいな。
本などを見るとまったく楽しそうな石窯造りだが、実際にやってみると、けっこう大変なのだ。当たり前だけど。
レンガを運んだりコンクリートを煉るのは力仕事だし、レンガを削ると、その粉で、マスクをしていても鼻はじゅるじゅるになる。
レンガの隙間にセメントはうまくおさまってくれないし。
しかし、なんだかんだと、のべ約5日。ようやく形になってきた。
形が見えてくるほどに、作業に熱が入る。
結局のところ、石窯造りは、ほんと楽しかった。
でも、ほんとうのお楽しみはこれからだ。
石窯ができあがったのだから、これからの余生、ここへ来ればオーブン料理はなんでもありだ!