帆布バッグの効能!

帆布バッグの効能!

またまた自然素材の話だ。 街で過ごすとき、僕は身の回りのものをなるべく自然素材でかためている。 それには、こんな理由があるからだ。

 帆布が好きだ。  ざっくりと織り込まれたコットン製品を持ち歩いていると、心が無農薬野菜のように元気になってくる。帆布をそんなふうに感じるのは、僕だけだろうか。  師も走る12月である。  が、僕はといえば、ゆったりサイ […]

 帆布が好きだ。
 ざっくりと織り込まれたコットン製品を持ち歩いていると、心が無農薬野菜のように元気になってくる。帆布をそんなふうに感じるのは、僕だけだろうか。
 師も走る12月である。
 が、僕はといえば、ゆったりサイズの帆布のトートバッグを肩にかけ「そんなに急がんでもええんとちゃうやろか」と、にぎにぎしく彩られた街を今日ものんびり歩いているのだ。

なぜか僕のまわりに帆布バッグが集まってくる。「こんなに持ってどうすんだ?」といわれそうだけど、「日々を愉しんでいるんだ!」としか答えようがない。

なぜか僕のまわりに帆布バッグが集まってくる。「こんなに持ってどうすんだ?」といわれそうだけど、「日々を愉しんでいるんだ!」としか答えようがない。

 帆布のトートバッグは、氷の塊を運ぶために作られたのがはじまりだという。
「トート」は、「運ぶ」という意味らしい。
 もしかしたら、氷を運ぶというのはすごい重労働で、トートバッグを見るだけで(あるいは、トートバッグという言葉を聞くだけで)、逃げ出したくなる人がいるかもしれない。
 そんな人には申し訳ないけど、僕はといえば、トートバッグを見るとついつい立ち止まってしまう日々なのである。

これぞ、トートバッグの元祖! L.L. Beanのボート・アンド・トート。もう30年以上も前、生まれて初めての海外へのメールオーダー(Eメールではなく、国際郵便での発注)で買ったときのもの。たしか、ほかの色やサイズもいっしょに買ったんだけど、なぜかいまはこれしか手元に残っていない。

これぞ、トートバッグの元祖!
L.L. Beanのボート・アンド・トート。もう30年以上も前、生まれて初めての海外へのメールオーダー(Eメールではなく、国際郵便での発注)で買ったときのもの。たしか、ほかの色やサイズもいっしょに買ったんだけど、なぜかいまはこれしか手元に残っていない。

 トートバッグをはじめとする帆布のバッグは、いろいろと面倒も多い。
 重たいし、かさばるし、汚れはシミになるし、湿ったままにしておくとカビが生えるし。
 それに、僕が好きなシンプルなタイプは、ふたやファスナーなどないから油断すると中身がバッグからこぼれ落ちるし(電車の網棚へいい加減にのせると「どどどどどっ!」と中身をばらまくこともある)。

 帆布バッグのしんどいところを挙げればきりがない。
 このあたりも、無農薬野菜のように不器用だ。
 でも、自分自身の生き様や持ちものは、「効率」で選ぶもんじゃない。
 気持ちにフィットする方向へ歩いていけばいいのだ。

テンマクとタルサタイムで共謀したムササビウイングのオールコットン・バージョンは、タープの収納袋がこのトート。ふだんは、トートバッグとして使っている。

テンマクとタルサタイムで共謀したムササビウイングのオールコットン・バージョンは、タープの収納袋がこのトート。ふだんは、トートバッグとして使っている。

 なぜだろう?
 帆布のバッグを持ち歩くと、「深呼吸」しているような気分になるのは。
 なぜだろう?
 帆布のバッグと一日を過ごすと、「目の前のこと」にとらわれなくなるのは。
 なぜだろう?
 帆布のバッグを肩にかけていると、「急ぐ」なんて言葉を忘れてしまうのは。
(重たい氷を運んだんだから、昔日の人たちもゆっくりとしか歩けなかったからだろうか)

 一杯のコーヒーをていねいに淹れるように。
 道端の花を見て立ち止まるように。
 落ちている石ころを手の中で転がしてみたり。
 帆布バッグを持っていると、心の中に自分だけの箱庭ができるのかもしれない。
 こうした心の動きを得られること。それが、帆布バッグのいちばんいいところなんだ。

最近よく使っているのは、輸入雑貨屋で買ったニューズペーパーバッグ。新聞配達少年が肩から下げて走り回っていた時代のバッグだ。ショルダーひもに流木を結びつけ、長さ調節をしている。

最近よく使っているのは、輸入雑貨屋で買ったニューズペーパーバッグ。新聞配達少年が肩から下げて走り回っていた時代のバッグだ。ショルダーひもに流木を結びつけ、長さ調節をしている。


骨のあるキャンバスバッグを作り続けるFrost River(アメリカ)のブリーフケース。いまも、カヌー旅用のバッグなどを帆布で作り続けているメーカーだ。カタログを見ると、思わず注文したくなるグッズがいっぱいある!

骨のあるキャンバスバッグを作り続けるFrost River(アメリカ)のブリーフケース。いまも、カヌー旅用のバッグなどを帆布で作り続けているメーカーだ。カタログを見ると、思わず注文したくなるグッズがいっぱいある!


シライデザインズの帆布リュックサック。これもまた、長く使っているバックパック。ウラヤマを徘徊するときは、いつもこれ。

シライデザインズの帆布リュックサック。これもまた、長く使っているバックパック。ウラヤマを徘徊するときは、いつもこれ。


サンフランシスコの「CITY LIGHTS BOOKS」で買ったサコッシュ。世界でいちばん好きな本屋さん。二番目に好きなのは京都の「恵文社」。

サンフランシスコの「CITY LIGHTS BOOKS」で買ったサコッシュ。世界でいちばん好きな本屋さん。二番目に好きなのは京都の「恵文社」。


こんなのも、持っている!

こんなのも、持っている!