ボブ・ディランの詩と、引き出しと

ボブ・ディランの詩と、引き出しと

新年早々、わが「引き出し」を増やすことにした。 タフな一年を過ごすために。

新年を迎えると、いろんな人がいろんなことを言いはじめる。 「今年こそは、〇〇するぞ!」といった具合に。 「抱負」だとか「誓い」とかには無縁の僕だが、まわりからはさまざまな声が聞こえてくる。 ある人からは、「凝り固まった自 […]

新年を迎えると、いろんな人がいろんなことを言いはじめる。
「今年こそは、〇〇するぞ!」といった具合に。
「抱負」だとか「誓い」とかには無縁の僕だが、まわりからはさまざまな声が聞こえてくる。

ある人からは、「凝り固まった自分の『モノサシ』をもっと柔軟に、未来につながるように変えてみろ!」と、言われた。
さすが、知識人と思われるお方は、いいことを言う。
いま話題の「プラスチックゴミ」のことを杞憂しての、意見だろう。
素直な僕は、さっそくモノサシを変えた。
プラスチック製のものはやめ、古くから持っていた竹の30センチ定規を使うことにしたのだ。

古材と新しい材を組み合わせて、引き出しを作ることに。塗装はオイルステインで。

計測や線を引くのは、脱プラスチックで。

すると今度は、「自分の『引き出し』を増やせ。そうすれば、さまざまな状況に対応できるタフさが生まれる」という声が聞こえてきた。
そうか。ちょうどいいではないか。引き出しが欲しかったのだ。
素直な僕は、さっそく引き出しを作ることにした。
もちろん、木材に線を引くのは竹のモノサシを使って。

ほぞを組む技術が僕にはないので、シンプルに貼り合わせる。表側の目立つ部分は竹釘を作って打ち込んだ。

今年のわが工房のデスクトップに、ボブ・ディランの日めくりカレンダーを置いた。
元旦からディランの詩の断片が、毎日、語りかけてくるのだ。
日めくりだから、毎朝、1枚をちぎるのだが、ちぎったページを捨てるのはしのびない。
そこで、ちぎった日めくりを収納するためのボックスを作ることにした。
で、どうせなら、と引き出しにしたのだ。
こうすれば、日めくりカレンダー置き、としても使える。

朝起きたら日めくりを1枚ちぎり、あらわれた新しい詩の歌をiTunesから聴く。というのが今年の日課。

こうして、片づかないわが机の上に、またまたものが増えた。
でも、ま、いいではないか。
日々、引き出しの中には、言葉がたまっていくのだから。
それらの言葉は、意味がうまくつかめないのもあれば、心に突き刺さってくるものも。
言葉というものが、人生の役に立つかどうかはわからないけど、かさかさに乾いた冬の肌に、オイルのように染み入るときもある。

いずれにせよ。
新年早々、いい引き出しがひとつ増えた!

モノサシを変え、引き出しを増やす。いい一年になりそうだ。

1月に、またひとつ歳を重ねてしまったが、いまだ物欲心は溢れでてくる。アメリカの「Forest River」から、うっかり、バックパックを買ってしまった。柿渋ジャケットとこの帆布のパックで、まずは冬山トレッキングだな。
いっしょに行ってくれる人、いないかなぁ……