暑い夏がやってきた。
太平洋高気圧は今年も、目いっぱい自己主張をしている。
「みんなも、もっとわがままに生きろよ!」というかのように。
それに呼応して、早朝から蝉が鳴く。
日本の夏だ。
ちょっとばかりがまんができなくなったぼくは、山へ行くことにした。
暑さにがまんができなくなったわけではない。
日々のこの暮らしに、飽きてしまったのだ。
このブログ『外遊び道具考』がリリースされるのは、8月5日(水)。
(更新は、「WILD-1」スタッフにお願いした)
いまぼくは北アルプスの3000メートル級の山域を歩いているはずだ。
ひとりで。大きなバックパックを背負って。iPhoneの電源を切って。
予定どおりであれば、5日(水)は雲ノ平かな。
全行程10日間。少し長くなるかもしれないし、短くなるかもしれない。
じつは、あまりちゃんと予定を組んでないのだ。
折立から入って、雲ノ平へ。そのあとは、自由!
良識ある人は眉をしかめるかもしれないけど、今回の旅は最終目的地を決めず、その日その日に計画をたてよう、と思っている。
あっちにでかい景色が見えたならあっちへ歩き、そっちがおもしろいと聞けばそっちを目指し、こっちへいっしょに行こうと美人が誘ってくれればこっちへ……。
(最後のは、可能性としてはかなり低いだろうけど)
そんな山旅だ。
テント泊もあるし、山小屋にも泊まる。停滞もあるだろうし、先を急ぐ日があるかもしれない。雨や雷もあるだろう。嵐がくるかもしれない。山ではいつものことだ。
旅で起こるだろう「やっかいごと」のすべてを予測しても、そんな想像をはるかに超える難渋が待っている。いい旅とはそういうものだ。
だからぼくたちは、出かけていくのだ。
ミステリーランチの大きなバックパックを前に、「なにを持っていくかではなく、なにを持っていかないか」。
この言葉をマントラのように唱え、今日まで準備を進めてきた。
次回8月19日(水)更新で、旅の顛末を報告できるかもしれない。
それに雑誌『TRAMPIN’(トランピン)』(地球丸)でも、この縦走旅の話を書く予定だ。
ただし、原稿化するのは、明日からの縦走がおもしく、かつうまくいったときのことなので、もしなんらかの理由で旅が大失敗に終わったときは、どこにも発表しない。
なので、つぎのブログでぜんぜん違うことを書いていたなら、「なにかまずいことでもあったのかな?」と、そっとしておいてください。
行ってきます!