ユニフレームの冒険(ユニフレーム工場探訪記・前編)

ユニフレームの冒険(ユニフレーム工場探訪記・前編)

燕三条と聞けば、「もの作りの町」という言葉が浮かぶ。 ユニフレームと聞けば、「焚き火の炎」が目に映る。

ユニフレームの商品を眺めていると、焚き火道具が多いことに気がつく。 男は、いくつになっても「火遊び」が好きなん […]

ユニフレームの商品を眺めていると、焚き火道具が多いことに気がつく。
男は、いくつになっても「火遊び」が好きなんだな。
(いまの時代、「男」とか「女」とか決めつけると、なにかとうるさい人もいるけど、ま、そこんところは、どうぞご勘弁を)
少なくともぼくには、ユニフレームの焚き火道具を眺めているだけで、揺らめく炎が目に浮かんでくる。
これらを作っている人は、焚き火が大好きに違いない。とすれば、行ってみるしかあるまい!

やってきたのは、新潟県燕市。
燕三条の駅周辺は、現在の日本の地方都市そのままの風情だ。チェーン店の張りぼてビルが建ちならぶ(夜になってわかったのは、その隅々に燕三条ならではのうまい居酒屋さんがいくつか!)

燕三条といえば、スプーンとフォークの町である(ぼくの頭には「燕=金属の町」とインプットされている)。
駅前から平坦な土地を車でしばらく走ると、小さな工場がいくつかあらわれてくる。たぶん、金属加工の工場だろう。
じっさいのところ、洋食器の生産では世界的なシェアを誇る工業都市だ、という。
とはいえ、三条市と燕市では、ちょっと違うようだけど。ま、このあたりのことは、はじめて訪れたぼくにはわからない。
そうした町にあるアウトドアグッズ・ブランドが、ユニフレームだ。

ユニフレームは、ラーメンやうどんなどの湯切りザル製造をメインとする株式会社新越ワークスのアウトドア事業部である。
30年ほど前、アウトドア好き(たぶん、焚き火好き)の2代目社長・山後春信さんの意向でアウトドア事業部がスタートした。
ブランド名の由来は、ユニークなフレーム(炎)。やっぱり、焚き火好きなんだ。

ラーメンなど麺の湯切りザル製造の市場シェアは70%を占めるという「株式会社信越ワークス」のアウトドア事業部が、「ユニフレーム」だ。

ラーメンなど麺の湯切りザル製造の市場シェアは70%を占めるという「株式会社新越ワークス」のアウトドア事業部が、「ユニフレーム」だ。

が、当たり前のことながら「好き」だけで、いいものは作れない。
ユニフレーム事業部の事業部長・田瀬明彦さんは、「われわれのもの作りの三本柱は、『品質・価格・供給』。これを徹底しています」と、きっぱり。
「『工芸品』ではなく、『工業製品』を作りたい」という。
「モデルチェンジもほとんどなし。ファイヤーグリルやユニセラなど、発売以来、寸法をかえてません。工業製品は、同じものを大量に作るのほうが効率はいい。それに、品質も上がるし。また、スペアパーツもいつでも用意できる」
モデルチェンジをしないことの重要性を説く。
つぎつぎとモデルチェンジして消費者を惑わす多くのメーカーとは、まったく違う姿勢を貫いている。

ヒット商品をつぎつぎと形にしてきたアイデアマンの田瀬明彦さん(写真中央)から、ユニフレームの信条を聞く。

ヒット商品をつぎつぎと形にしてきたアイデアマンの田瀬明彦さん(写真中央)から、ユニフレームの信条を聞く。

製品のアイデアは、社員全員が考える。「企画室」はない、という。
「新商品は、ほとんど失敗です」と、笑う。
「でも、失敗しながら商品が強くなっていくんです。失敗も儀式のひとつだ、と思っています」と。
「アイデアを出すことは、ある意味かんたん。でも、ぼくたちはものづくりの現場にいる。工具を使えない人が考えるアイデアより、現場作業のまっただ中にいる人間の企画は強いんです」

田瀬さんをはじめ、現場からの声が商品アイデアにつながっていく。

田瀬さんをはじめ、現場からの声が商品アイデアにつながっていく。

「安く、いいものを作る。これが、むずかしい。でも、むずかしいからこそ、やりがいがあるんです」と、田瀬さん。
「定番」といわれるようなヒット商品を作っても、それで満足はしていない。
ユニフレームの冒険は、創業30年を過ぎてまだまだ続くのだ。
(次回更新へ、つづく)

社内には、バーベキューができる気持ちのいいスペースがある。火を眺めながら一日を過ごしていたい、と思わせる場所だ。

社内には、バーベキューができる気持ちのいいスペースがある。火を眺めながら一日を過ごしていたい、と思わせる場所だ。