世界一暗いライトと、倍率の低い双眼鏡

世界一暗いライトと、倍率の低い双眼鏡

ふたつの不思議な外遊び道具を手に入れた。 うっかりものの僕は、またまた、夜遊びに目覚めてしまったのだ。

「これ、世界一暗いライトなんです」と、ビクセン社長の新妻和重さんが唐突にいう。 「えっ?」  LED全盛の昨今 […]

「これ、世界一暗いライトなんです」と、ビクセン社長の新妻和重さんが唐突にいう。
「えっ?」
 LED全盛の昨今、ヘッドライトをはじめとする携帯ライトは、「明るさが売り」の製品ばかりである。
 そんな時代に、「暗さが売り」のライトを作ったのだ。
「天体観測用ライト SG-L01」が、それだ。
 暗さにこだわったライトなんて、この世界に存在したか?
 このライトは、目を刺激しない赤色LEDが主役だ。サブライトには、明る過ぎず暗所視認性のよい 電球色LEDが搭載されている。
 つねづね、「いまのヘッドライトは明るすぎるよな」と思っていた僕の心をわしづかみである。

久しぶりに物欲心が大きく動いたわたくしである。 「星座観察用双眼鏡SG2.1×4」と星空柄の「宙トートバッグ(L)」、それに「天体観測用ライト SG-L01」を買ってしまった!

久しぶりに物欲心が大きく動いたわたくしである。
「星座観察用双眼鏡SG2.1×42」と星空柄の「宙トートバッグ(L)」、それに「天体観測用ライト SG-L01」を買ってしまった!

 天体望遠鏡メーカーが考えた、天体観測のためのライトなのだが、これこそ外遊びに最適だ。
 なんらかの特殊な使い方をする人以外には、いまのヘッドライトは明るすぎる。
 夜を楽しもうと思っている僕たちに、明るさなんて必要ないのに。
 キャンプの夜、焚き火を前に月を眺めていたいのに、ヘッドライトをつけた人たちのその明るさに目がくらんだことはないか?
 ヘッドライトを点けたままの人から話しかけられて、その眩しさに目を細めたことはないか?
 山小屋で、早朝に出かける準備をしている人のライトが寝ている自分のまぶたを直撃したことはないか?
(しかも、ヘッドライトをした人たちは、そのことに気がついてさえいない)

夜遊びに長けた人が考えたライトである。夜遊びの本質を知っている人は、このライトだよ。

夜遊びに長けた人が考えたライトである。夜遊びの本質を知っている人は、このライトだよ。

 そんなこともあり、僕はキャンプの夜、たいていの場合ヘッドライトは首にぶら下げて使っている。
 と、このライトは首にぶら下げて使うことを前提に長めのストラップがつけられている。
 ストラップはバックル式で長くもなる。木などにもぶら下げられるのだ。
 そしてその「暗さ」から、単三アルカリ乾電池1本で、連続点灯最大約181時間ももつという。
 ライトの革命児である。
 明る過ぎると、見えないものがある。そのことを思い出させてくれるライトだ。
 明るい国の未来は暗い。だれもがこのライトを使えば、日本はいい国になる。
 僕は、本気でそう思っている。

「星」を心底楽しんでいる人が作ると、双眼鏡はこうなる。これを手にしてからの僕は、夜が待ち遠しい日々だ。

「星」を心底楽しんでいる人が作ると、双眼鏡はこうなる。これを手にしてからの僕は、夜が待ち遠しい日々だ。

 そして、もうひとつ。
 倍率の低い双眼鏡「星座観察用双眼鏡SG2.1×42」。
 これは星を見るための低倍率双眼鏡だ。星を見る、といっても星単体を見るんじゃなく、星座を見るためのものである。
 口径42mmもある大きいレンズを使っているので、なんと、肉眼では見えていない星が、この双眼鏡を使えば目に飛び込んでくる。
 夜空に、星雲、星団、それに天の川の星々が瞬きだすのだ。
 この双眼鏡のおかげで、いまさらながら、オリオン座の中には三ツ星だけではなくいくつもの星があることを知った。星雲の不思議や天の川の奥深さにも吸い込まれた。
 双眼鏡を手に空気が澄む冬の夜空を見上げ、知らなかった星の様相を眺めているのだ。いい年をして。ため息をつきながら。
 拡大しないことで見えてくるものがある。そんなことを教えてくれる双眼鏡でもある。

「むむむ? メイド・イン・サイタマ!」 レンズ研磨、金属加工から組立までのすべてを埼玉県内でおこなった製品だという。

「むむむ? メイド・イン・サイタマ!」
レンズ研磨、金属加工から組立までのすべてを埼玉県内でおこなった製品だという。

 それからというもの、僕はこのライトと双眼鏡をどこへ出かけるときにもバッグへ忍ばせている。
「夜遊びはもうやめた」と思っていたけど、こんな道具と出会ってしまうと、またまた夜遊び癖が復活しそうだ。
 困った道具たちである。

満月を見るとつい話しかけてしまう僕としては、これをわがアイコンにしたいぐらいだ!

満月を見るとつい話しかけてしまう僕としては、これをわがアイコンにしたいぐらいだ!