優雅な食事のためには、シンプルなコッヘルを

優雅な食事のためには、シンプルなコッヘルを

料理があまり得意じゃないぼくは、調理器具を多く持たない。 シンプルがいちばん、と思っている。 バックパッキングでの山旅を考えるなら、簡素で美しいコッヘルがほしい。

 もうずいぶん前のこと、コッヘル(鍋)を忘れた2泊3日旅があった。  大慌てで、旅先の食料品屋でふたつの缶詰を […]

 もうずいぶん前のこと、コッヘル(鍋)を忘れた2泊3日旅があった。
 大慌てで、旅先の食料品屋でふたつの缶詰を買った。たしか、チリビーンズとフルーツの缶詰だったと思う。
 もちろん、それらは初日の食料となったが、その空き缶こそが必要だったのだ。そう、空き缶を鍋として使ったのだ(もちろん、スチール缶だ)。
 その旅の間、食事のたび、ちょっとばかりの貧乏くささを感じたけど、ま、それはそれでいまとなっては笑える思い出である。

「コッヘルなんていらないよ。たいていの料理はアルミホイルさえあればできるし、お湯を沸かすときはシェラカップを使えばいい」と、かたくなにコッヘルを持ち歩かない友人がいる。そういう考えも、ありだろう。
 逆に、ひとり旅でも直径が25センチ以上もあるフライパンを持ち歩く知人もいる。フライフィッシングが好きで、いつも渓流沿いのキャンプ旅へ出かける男だ。
「でっかいヤマメかイワナを釣って、このフライパンでムニエルを作るんだ!」と、期待いっぱいの顔でいうけど、彼がそのフライパンを使っている場面をぼくはいまだ見たことがない。

 ま、ひとり旅ならなんとでもなる、ということだ。
 ふたり旅、グループ旅を考えるなら、もうちょっと計画性が欲しい(いうまでもなく、みんなはちゃんと計画性があるんだろうけど)。
 ただぼくは、コッヘルもまた、シンプルなものが好きだ。
(シンプル! これはコッヘルにかぎらず、すべての道具にいえることだけど。)

いまは、バックパッキングでの山旅へ持っていくのは、これだけ。GSIのピナクル・ソロイストとそれにぴったり収まるSOTO/ウインドマスター。ふたりまでなら、このセットでまったく問題なし。凝った料理はできないが、必要じゅうぶんなことはできる。

いまは、バックパッキングでの山旅へ持っていくのは、これだけ。GSIのピナクル・ソロイストとそれにぴったり収まるSOTO/ウインドマスター。ふたりまでなら、このセットでまったく問題なし。凝った料理はできないが、必要じゅうぶんなことはできる。

 鍋やカップやヤカン、スプーンやフォークなどなどがいくつもセットになっているのが便利そうに見えても、あまり大げさなものは、やめておくほうがいい。
 買うなら、せめて鍋がふたつスタッキングできるぐらいのシンプルなやつ。そのあと、カップなどは好みでプラスしていけばいい。
 なんのことはない、自信をもってこういえるのは、わが物置には使ったこともないセットの片割れがあちこちに散らばっているからだ。

市販のものはたいていガスカートリッジなどの径にあわせて作られている。こちらは、エバニューのチタンのコッヘル。もちろんこれにもウインドマスターはぴったり入る。SOTOのMUKAストーブは、ちょっとはみ出すけど、ぼくはこれに入れている。コッヘルはストーブのケースでもある。

市販のものはたいていガスカートリッジなどの径にあわせて作られている。こちらは、エバニューのチタンのコッヘル。もちろんこれにもウインドマスターはぴったり入る。SOTOのMUKAストーブは、ちょっとはみ出すけど、ぼくはこれに入れている。コッヘルはストーブのケースでもある。

 バックパッキングでの山旅を考えているなら、必要最低限の調理道具でまかなうことを強く考えるほうがいい。
 鍋の径が小さく背の高いものは熱効率が悪い。しかし、パッキングが楽だ。
 でも、たとえばSOTOのガスバーナー「ウインドマスター」などは、炎があまり広がらず、径の小さな鍋でも効率の悪さを感じさせない。ありがたい心配りだ。
 チタンのコッヘルは軽いが、財布に重たい。熱伝導率が低く、料理が焦げつきやすい。これでご飯をうまく炊こうとするなら、かなりの経験が求められる。

もっとシンプルにしたければ、シェラカップやロッキーカップを鍋として使えばいい。そのときは、チタンのふたがあると便利だ。効率もいい。

もっとシンプルにしたければ、シェラカップやロッキーカップを鍋として使えばいい。そのときは、チタンのふたがあると便利だ。効率もいい。

 いずれにせよ、料理があまり得意じゃないぼくは、シンプルなコッヘルしか持ち歩かない。
 簡素なコッヘルで作ることができる料理を楽しむ、というスタンスだ。
 ま、これも体裁よく表現しただけで、どうせ凝った料理はできないわけだし……。
 でも、いろんな調理道具を駆使して凝った料理を作る人より、簡単なコッヘルだけで素材の味を大事にしている人の料理がぼくは好きだ。
 そういう旅人になりたい、と思っている。

たまには、こんな粋狂なスキレットを持ち歩くことも。もちろん、荷物が少ない日帰り旅のときだけど。当たり前ながら、「ウケねらい」である。あしからず。

たまには、こんな粋狂なスキレットを持ち歩くことも。もちろん、荷物が少ない日帰り旅のときだけど。当たり前ながら、「ウケねらい」である。あしからず。